FPGAベースのエッジ・コンピューティングは、AI推論、産業オートメーション、リアルタイム分析などで活用が進んでいます。しかし、SoC搭載FPGAでソフトウェアによって10GbEのTCP/UDP通信を処理することはCPUに大きな負荷をかけます。システム性能を最大化するには、TCP/UDP処理のハードウェア・オフロードが鍵となります。

• CPU負荷の軽減: TCP/IPやUDP/IPスタックをハードウェアにオフロードすることで、AI推論やリアルタイム処理などの重要なエッジ・コンピューティング・タスクにCPUリソースを集中できます。
• 10GbE帯域幅の最大化: ソフトウェア処理では10GbEの性能を十分に発揮できませんが、FPGAによるオフロードなら低遅延でほぼラインレートの通信が可能です。
• システム効率の向上: ソフトウェアのボトルネックを解消し、エッジ・アプリケーションで予測可能かつ安定した高性能データ転送を実現します。

		CPU&ソフトウェア ソリューション
CPU 消費	0% TCPスタックを完全オフロード	100% TCPスタック処理に CPUリソースが必須
パフォーマンス/信頼性	99% の転送効率 帯域をフルに活用 自動再送機能に対応	高負荷時、転送効率が 50% 程度に低下
FPGAへの実装	コストパフォーマンスに優れた デバイスでの対応が可能 構成がシンプルで実装が容易	MPSoC デバイスに Linuxの実装が必要

デザイン・ゲートウェイのTOE10G-IPおよびUDP10G-IPは、FPGAエッジ・デバイス向けに最適化された高性能・低遅延の10GbE通信ソリューションを提供します。これらはリアルタイム処理、低消費電力、高速データ転送を必要とするアプリケーションに最適です。 また、TOE10G-IPはFPGAの内蔵10G EMAC Hard IPと連携し、外部MAC不要で動作するため、リソース使用を抑えつつ、追加ハードウェアの依存を減らしコストを削減できます。これにより、効率を損なうことなく、低コストで高性能な10GbEソリューションを実現できます。

アプリケーション事例:

先進運転支援システム(ADAS): ADASの開発には、カメラやLiDAR、レーダーなどのセンサーからの高速データロギングが必要です。AMD Versal Edge AIはリアルタイム処理のためのAI加速を提供しますが、大容量データの10GbE通信がSoC CPUに負荷をかける可能性があります。 TOE10G-IPを実装することで、TCP処理をFPGAにオフロードし、CPUリソースをエッジAIに集中することができます。10GbEの高帯域・低遅延通信を実現し、消費電力を抑えながらシステム効率を最適化します。

AIビジョン: 次世代のマシンビジョン・システムは、進化するユースケースに対応する柔軟なアーキテクチャが求められます。Altera Agilex 5は、データの直接取り込みとパイプライン処理により、カスタムISPやAI処理を低遅延で実行できます。カスタム画像処理（フィルタリング、3Dビジョン、ディープラーニング）や多様なデータ型に対応しており、AIカメラに最適です。Agilex 5とTOE10G-IPまたはUDP10G-IPを組み合わせることで、AI画像処理において優れた速度、効率、適応性を実現します。 Agilex 5対応 Altera版 TOE10G-IP

豊富な採用実績

TOE200GADV IP コアで、光通信にも対応

• Altera向け TOE-IPコアページ | Intel Partner Showcase Page
• AMD向け TOE-IPコアページ | AMD Adaptive Computing Partner Solutions Page